さまざまな役割を担う地域包括支援センター

地域包括支援センターは、医療と介護に加え、生活支援と介護予防という包括的な福祉サービスを高齢者に施す機能を果たしています。全国に5000箇所以上設けられた地域包括支援センターは、誰でも気軽に無料で相談できる場所なのです。地域包括支援センターには、ケアマネジャーや保健師をはじめ、社会福祉士や看護師など、介護と医療の専門家が勤務しており、来訪者に役立つ情報を提供しています。相談の内容は介護や医療のサービスに限らず、高齢者への虐待や年金などの一般的な生活相談にも乗らなければなりません。

地域包括支援センターは、あくまでも地域に根差した福祉サービスの提供が目的なので、自宅に近い介護施設を紹介するほか、在宅介護サービスの情報も提供します。地域包括支援センターで働くケアマネジャーや社会福祉士といった介護関連のスタッフは、高齢者の権利擁護と生活支援のため、個々の状況に応じて必要な福祉サービスを紹介し、行政機関との橋渡し役となります。行政手続きのサポートを行って、高齢者がスムーズに公的支援を受けられるよう尽力するのです。

多くの場合、初めて介護サービスを受ける高齢者の最初の相談先が地域包括支援センターのため、初心者に必要な知識を丁寧に説明することが重要と言えるでしょう。相談者は非常に多く、一人ひとりに真摯に向き合う一方で、効率的に業務をこなす器用さも求められます。さらに、地域のケアマネジャーのサポートも、地域包括支援センターの大切な役割です。個々のケアマネジャーが円滑に介護支援を行えるよう、個別の問題解決やクレーム対応にもアドバイスを与えているのです。